家の中の荷物はどうする？売却時の残置物撤去の進め方と費用を解説

公開日：2025年11月25日カテゴリー：コラム

不動産の売却、特にご両親から相続されたご実家などの売却を進める際に、多くの売主様が頭を悩ませる大きな問題。それが、家に残された大量の「残置物（ざんちぶつ）」です。

「タンスや食器棚、衣類や布団がそのまま…どこから手をつければいいのか」「遠方に住んでいるから、片付けに通うのが難しい」「業者に頼むと、一体いくらかかるんだろう…」

長年暮らしてきた家には、その歴史の分だけモノがあります。思い出の品も多く、仕分けをするだけでも精神的に大きな負担を感じる方も少なくありません。

しかし、この残置物をどう扱うかは、売却がスムーズに進むか、そして最終的にいくらで売れるかを大きく左右する、とても重要なステップです。

そこで今回は、千葉県房総エリアで数多くの不動産売却をお手伝いしてきた私たち「東栄建設」が、残置物撤去の基本から具体的な進め方、気になる費用相場などをわかりやすくお伝えします。

【大前提】なぜ家を空っぽにしてから売るのが基本なのか？

まず、不動産売却における大原則として「引き渡し時には、建物を空の状態にする」というものがあります。買主様へは、家具や私物がない状態で鍵をお渡しするのが基本です。

特に「少しでも高く売りたい」「早く売りたい」と願うなら、残置物を撤去することを考えるのが賢明でしょう。その理由を紹介します。

まず、購入希望者が内覧に訪れた際、家は「未来の自分の住まい」として見られます。

そのとき、古い家具や生活感あふれる荷物が溢れていては、買主様は新しい生活をイメージするのが難しくなってしまいがちです。

「散らかっている」「暗い」といったマイナスの印象を与えてしまい、購入意欲を削いでしまうことも。

反対に、きれいに片付いた空間は、部屋を広く明るく見せ、買主様のポジティブな想像力を掻き立てます。

また、タンスの裏に隠れた壁のシミ、カーペットの下の床の傷み、物で塞がれた窓際の雨漏りのサイン…。荷物があると、こうした建物の重要な欠陥（瑕疵）を見落とす原因になります。

売却後にこうした問題が発覚すると、「契約不適合責任」を問われ、修理費用の請求や契約解除といった深刻なトラブルに発展するリスクがあります。

そして「残置物あり」という条件で売りに出すと、購入を検討するのは、主に不動産投資家や買取業者など、扱いに慣れたプロに限られてくることも少なくありません。

一般の「マイホームを探している」ファミリー層などは敬遠してしまうため、購入希望者の数が激減し、売却が長期化する原因になり得るでしょう。

では、具体的にどうやって片付けを進めればよいのでしょうか。主な2つの方法を紹介します。

時間と体力に余裕があり、とにかく費用を抑えたいという方はご自身、あるいはご家族、ご友人と一緒に片付けるのがおすすめです。

メリット：

デメリット：

具体的なステップは以下の通りです。

計画を立てる：まずは「いつまでに終わらせるか」目標を設定し、「今度の週末は1階の和室」「次は2階の子ども部屋」など、部屋ごとやエリアごとに区切って計画を立てましょう。
仕分ける：「残すもの（形見分けなど）」「売るもの」「譲るもの」「捨てるもの」に分別するためのスペースと箱を用意します。
売る・譲る：まだ使えるきれいな家具や家電は、リサイクルショップやフリマアプリで売却したり、親族や友人に譲ったりできないか検討しましょう。
捨てる：自治体のルールを徹底的に確認します。粗大ごみの申し込み方法、収集日、料金は必ずホームページや電話で確認してください。一度に大量のゴミを出すと収集してもらえない場合もあるため、計画的に進めることが重要です。